可変NDフィルターとは?通常のNDフィルターとの違い

・可変NDフィルターの仕組みと基本機能
可変NDフィルターは、レンズに取り付けることで光の量を調整できる特殊なフィルターです。通常のNDフィルターは固定された濃度で一定の光量をカットしますが、可変NDフィルターは濃度を自由に変えられる点が特徴です。フィルターの回転により、光量を段階的に調整できる仕組みを持ち、撮影環境の変化にも柔軟に対応できます。この機能により、シャッタースピードや絞り値を固定しつつ、適切な露出を保つことが可能です。
・NDフィルターと比較した際の特徴や優位性
NDフィルターは濃度ごとにフィルターを交換する必要がありますが、可変NDフィルターは1枚で幅広い光量調整に対応できます。そのため、複数のNDフィルターを持ち歩く手間が省け、特に動画撮影や外出先での撮影に便利です。一方で、光のムラが発生しやすい場合があり、製品選びには注意が必要です。
NDフィルターと可変NDフィルターの比較表
項目 | NDフィルター | 可変NDフィルター |
---|---|---|
減光量の調整 | 固定 | 無段階で調整可能 |
画質への影響 | 色かぶりや歪みが少ない | 色かぶりやXバンドが発生する場合がある |
使い勝手 | 減光量ごとに交換が必要 | 1枚で多用途に対応可能 |
コスト | 複数枚必要で総コストが高い | 初期コストは高いが1枚で済む |
主な用途 | 静止画撮影、長時間露光 | 動画撮影、頻繁に設定を変える撮影 |
目次
可変NDフィルターを使うメリットとデメリット

・メリット:柔軟な露出調整や利便性の高さ
可変NDフィルターの最大のメリットは、光量を自由に調整できることです。これにより、晴天の屋外でも絞り値を開放した美しいボケを得られます。また、シャッタースピードを遅く設定し、水の流れや雲の動きを滑らかに表現することも可能です。さらに、1枚のフィルターで幅広いND値に対応するため、初期投資すれば荷物を軽減できる点も利便性を高めています。
・デメリット:光のムラや価格が高い点
一方で、可変NDフィルターにはデメリットもあります。特に安価な製品では光量のムラが発生しやすく、撮影した写真や動画にクロスパターンの影響が出ることがあります。また、通常のNDフィルターに比べて価格が高めで、コストパフォーマンスを考慮した選定が必要です。
可変NDフィルターの用途と活用シーン

・動画撮影や風景撮影での活用例
可変NDフィルターは、動画撮影において特に活躍します。シャッタースピードをフレームレートの倍に設定する「180度ルール」を守る際、過剰な明るさを抑えるのに役立ちます。また、風景撮影でもその効果は絶大です。たとえば、川や滝の流れを滑らかに表現したい場合や、日中でも長時間露光を行いたい場合に最適です。
・プロからアマチュアまで使いやすい理由
プロフェッショナルはもちろん、趣味で写真や動画を楽しむアマチュアにも使いやすい理由は、その柔軟性にあります。可変NDフィルターは撮影条件の変化に瞬時に対応できるため、限られた時間での撮影にも強い味方となります。
可変NDフィルターを選ぶ際に確認すべきポイント

・口径サイズの確認:自分のレンズに合うサイズを選ぶ
まず確認すべきは、フィルターの口径サイズです。フィルターがレンズに合わないと使用できないため、レンズ前面に記載されている口径(例:Ø77mm)を必ず確認してください。汎用性を高めたい場合は、ステップアップリングの利用も検討しましょう。
※ステップアップリングを使用することで、小さい口径のレンズに大きい口径のフィルターを装着することは可能です
・フィルターの減光範囲:用途に適したND値をチェック
NDフィルターの値は「ND〇〇」または「減光量〇〇段」で表記され、ND値が高いほど光量を大きく減少させます。
ND値 | 減光段数 | 光量減少率 | 用途 |
---|---|---|---|
ND2 | 1段 | 50%(1/2) | 軽い減光で明るい屋外での撮影。絞りを浅くして背景をぼかしたいとき。 |
ND4 | 2段 | 75%(1/4) | 少し強い日差しを軽減。ポートレート撮影でシャッタースピードを遅くしたい場合。 |
ND8 | 3段 | 87.5%(1/8) | 強い日差し下で絞りやシャッタースピードの調整が必要な状況。 |
ND16 | 4段 | 93.75%(1/16) | 動画撮影や滝など動きのある被写体を流れるように撮影したい場合。 |
ND32 | 5段 | 96.875%(1/32) | 高速シャッターが必要なシーンでの減光、または動きを表現する撮影。 |
ND64 | 6段 | 98.4375%(1/64) | 明るい日中の長時間露光や、激しい動きを表現したい場合。 |
ND1000以上 | 10段以上 | 99.9%(1/1000以上) | 長時間露光や昼間に車の動きを完全に消したい場合。 |
可変NDフィルターには、対応するND値の範囲が製品ごとに異なります。ND2~ND400などの広範囲に対応したモデルは、日中の明るい環境から夕暮れ時まで幅広く使えます。ただし、必要以上の減光範囲がないかも確認してください。
一般的にND2-ND32まであれば十分です。
・コーティングの種類:反射防止や傷防止の有無を確認
反射防止コーティングや防水・防汚コーティングが施されている製品は、レンズフレアを抑えたり、掃除を簡単にしたりと、実用面でのメリットが大きいです。特に逆光や雨天時の撮影を行う方には必須のポイントです。
・ムラが少ない設計か:光ムラが起きづらい製品の選び方
可変NDフィルターでありがちな光のムラやクロスパターンを避けるには、光学性能の高い製品を選ぶ必要があります。口コミやレビューを参考にして、実際の使用感を確認するのがおすすめです。
このブログで紹介する製品の選定基準(コスパ、画質、汎用性など)
本記事で紹介する可変NDフィルターは、初心者でも使いやすいコスパ重視のモデルから、プロ向けの高画質モデルまで幅広く網羅しています。また、光ムラの少なさやコーティング性能、汎用性なども選定基準に含まれています。撮影目的や使用する機材に合わせて、あなたにぴったりの一枚が見つかるはずです。
可変NDフィルターのおすすめ6選!(リンク先に49,52,55,58,62,67,72,77,82mm等各サイズあり)
K&F Concept 可変NDフィルター ND2-ND400レンズフィルター 減光フィルター 超薄型 カメラ用フィルター+超極細繊維布 NANO-Bシリーズ【圧倒的人気】

複数のNDフィルターを持ち歩く手間が省け、撮影の効率が格段に上がります。付属の超極細繊維布でお手入れも簡単です。他社製品と比べ、コストパフォーマンスに優れています。NDフィルター選びで迷っている方には、この可変NDフィルターがおすすめです。一枚あれば、様々な撮影シーンに対応できる便利なアイテムです。
NEEWER MRC 可変NDフィルター ND2-ND400 中性濃度 調整可能 NDフィルター (0.3-2.7、1-9ストップ) 多層コーティング 光学ガラス 防水 キズ防止 超薄型 フィルター

厚さわずか9.5mmの超薄型設計で、広角レンズでもケラレの心配がありません。防水・耐傷性能も備え、屋外撮影でも安心して使えます。NEEWERの可変NDフィルターは、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
K&F Concept 可変NDフィルター ND2-ND32 TRUE COLOR 黄色被り解消可能 両面28層コーティング 光学ガラス 撥水撥油キズ防止 フィルターケース付き (NANO-Xシリーズ)

薄枠設計で広角レンズでもケラレの心配がありません。撥水撥油性能も備え、屋外撮影でも安心して使えます。K&F Conceptの可変NDフィルターは、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
NiSi 可変NDフィルター TRUE COLOR VARIO 1-5stops (ND2~32)

ナノコーティング技術でゴーストやフレアを抑制し、高画質を維持します。撥水防汚コーティングにより、屋外撮影でも安心して使えます。耐久性に優れ、長期間の使用に耐えます。NiSiの可変NDフィルターは、プロからアマチュアまで幅広い層におすすめの逸品です。
KANI 82mm 可変NDフィルター HT PRO+ MC ND2-400 減光効果最大8 2/3絞り分 着脱式調整用ノブ付 高濃度時X状ムラ抑制 低反射 撥水 撥油 防汚 ナノコーティング 809360

過酷な撮影環境でも安心して使用できます。高品質な光学ガラスを使用し、優れた耐久性を誇ります。KANIの可変NDフィルターは、プロからアマチュアまで幅広い層に満足いただける逸品です。
NEEWER 2 in 1 82mm 可変NDフィルター ND2–ND32&CPL多機能フィルター 1枚2役 X状ムラなし HD光学ガラス 30層ナノコーティング 撥水防汚キズ防止

撥水防汚コーティングで、屋外撮影でも安心して使えます。1枚で2役をこなすため、レンズ交換の手間が省け、撮影効率が向上します。コストパフォーマンスに優れ、機材を減らしたい方にもおすすめです。NEEWERの2 in 1フィルターは、多機能性と高品質を求める方に最適な選択肢です。
まとめ
可変NDフィルターは、光量を自由に調整できる利便性の高さが魅力です。ND2~ND400まで対応する製品は、動画撮影や風景撮影での露出管理に欠かせないアイテムです。特に、日中の明るい環境でも絞りやシャッタースピードを思い通りに操作でき、創造的な表現が可能です。
一方で、光のムラや高コストといったデメリットもあるため、用途や品質を重視した製品選びが重要です。この記事で紹介したポイントを参考に、自分の撮影スタイルに合った最適な可変NDフィルターを見つけ、撮影の幅を広げてみてください!
